COEその後

 先日のコスタリカに続いて一昨日のグァテマラもオークションの落札価格が高騰して当店は購入できませんでした。これで今年の「カップ・オブ・エクセレンス」は今のところエルサルバドル、ニカラグア、ホンジュラス(2つ)だけが手当済みということになります。ただし、コスタリカについては後から端数の引き合いがあり、通常のパッケージより量の少ない半端品を1つ買うことに致しました。従ってグアテマラ以外は全部お店に入荷する予定であります。次はメキシコ、ブルンジなどが控えており、あまり高騰しなければ買おうと考えております。あまり著名な生産国ではありませんがさすがにCOE受賞ロットということで昨年のメキシコも予想よりかなり早く完売してしまいましたし、国名で判断してはいけないみたいであります。また落札状況がはっきりしましたら当ブログ上にてご案内させていただきます。
 昨日は西日本豪雨の被災地の方からご注文をいただき、運送会社に確認を取りましたら配達日は保証できないとのことで、少し戸惑いましたが心ばかりの見舞い品として準備してあった商品と共にお送りさせていただきました。まだ荷物が届くかどうかも分からない状況でご注文いただけるというのは大変有り難いものであります。豪雨が収まったと思ったら連日の猛暑で、もう地球は厄介な人間どもを殺しにかかっているのではないかと思えるくらい手の付けられないアウトローぶりであります。何が起きても不思議でない世界を生き抜くというのはいずれにせよ生半可では行かないものであります。今後どうなっちゃうんでしょうねえ、この地球・日本、そして三重珈琲...。

匂いと共に去りぬ

 ここは場末のショッピングセンターですから土日以外の来客は極端に少なくて、その土日でさえどうかすると平日より哀れなほどの集客状態で、実際にここ数日は酷暑と相まって、一日中お店をやっているのにコーヒー焙煎豆をお買い求めになるお客様が1人とか3人とかという惨憺たる状況であります。昨日も夕方まであまり来訪者もなくヒマを持て余しておりましたが、夕方少し気温が下がり始めますと数人まとめてお客様がお越しになりました。そんな状態の中、焙煎の機械を稼働させますと、その匂いが堪らないということで、どことは申しませんがコーヒーの匂いアレルギーを持った方が事務所に苦情を入れられるようで、いつもより匂いがきついのではないかと申し入れがありました。「周りのテナントさんから苦情が出ている」といわれるので後からお隣のパン屋さんやたこ焼き屋さんなど周辺のお店に聞いてみましたが「何それ、そんな匂いがするんですか?コーヒーやパンのお店で匂いを出すなと言われたら商売できないじゃないですか!」というご反応でしたので、クレームの情報源は例のお店みたいであります。これだけヒマな折にたまに焙煎機を稼働させただけでこう言われるなら秋口から涼しくなってコーヒーの繁忙期になるととても営業できないことになりますから、これはもう出て行けと言われているのと同義であります。これまで何度もせっかく懇意にさせていただいている多くのリピーター様への便宜を考えるとお店をたたむという選択がやりたくてもできませんでしたが、こうなるともう限界を超えております。契約の関係で半年前に通告して契約期間満了(12月31日)まで営業しないと家賃相当の違約金を毎月取られるシステムなので今年中の撤退はありませんが、来年の契約更新はたぶんないと思われます。そんなコーヒーアレルギーの人を抱えているならわざわざコーヒー屋の隣りに店を出す必要はないと思いますし、それが通ってしまうショッピングセンターって何なのですかねえ?クレームをいただくのは入居以来ずっと三重珈琲の専売特許ですが、周りの飲食店だってパン屋さんの前を通ればパンの匂いがしますし、たこ焼き屋さんの横ではたこ焼きを焼く匂いが結構強くしてまいります。でもコーヒーだけはダメなようで...。いつもここに来るたびにテイクアウトのコーヒーを買うことを楽しみにしてみえるお客様も多いので、もし三重珈琲がいなくなったらたぶんそういう方たちはもう二度とこのショッピングセンターにはお越しにならないでしょう。むしろ今はそうなることを願っております。自分が後から入居してきて、お隣に今度入ったコーヒー屋の匂いが気になると言われるのならまだ分からなくもないのですけど、10年以上も営業して地元に根付いているお店が広いスペースを借りる新しい有望店(家賃をたくさん払う大家さんに都合の良いお店)に追い出されるって、どう考えても理不尽なのですが...、でもある意味それが当ショッピングセンターらしいところでもあると言えるのでしょうね。社長さんは良い人なんですけど「現場を担当する社長さん」とは最後まで肌が合わなかったみたいです、これもワタシの不徳の致すところでありましょうか。

やっぱり買うなら純正品

 コーヒーのいちばんオーソドックスな精製法というのは「ウオッシュド」と呼ばれるものであります。ご承知のようにこれは収穫した実を水に浸けて浮き上がった赤い完熟したものだけを選別して果肉を剥ぐ作業に入るという精製法なのですが、ここまでは誰でもどこかで仕入れて知識として理解しているはずのお話であります。古来よりずっとこれがコーヒー精製の基本であり、例えば近くに水源がなくどうしてもそれができない産地などでは仕方が無いから水洗いせずに収穫した実をそのまま地面に並べて干したのが「ナチュラル」と言うワケです。そこでふと考えるのですがそれじゃあ水に浸けて浮かんで来なかった未成熟な実って、どうするのでしょうか?完熟していないのだから捨てる?...なあんてことはしないんでしょうねえ。でも完熟していないのだからそれをそのまま精製してしまうと、こういう未熟豆は焙煎しても美味しくありませんし、焙煎ムラの原因にもなります。ならばトマトなどの農産物と同じように、水槽の中に沈んだものを集めて来て、もう一度天日干しすれば赤く色づくはずであります。実は以前に読んだ何かの本にこのことが書かれておりましたので、これが実際のところのようです。そうしますとナチュラル精製と言うのは「ウオッシュド」の精製過程で水槽の水に浮かんでこなかったためはじかれた落ちこぼれかも知れないと言うことになります。これはワタシの個人的な想像に基づくお話なので違っているかもしれませんが、例えばネットのプライベート・オークションに登場するゲイシャやパカマラのナチュラルみたいに特別なものであれば、最初から赤く熟した実だけを手で摘み取ってそれをそのまま天日干しする純粋なナチュラル精製のはずですから、間違いなく風味豊かで美味しいコーヒーであります。だからこそすごい高値で落札されて行くのです。しかし、ウオッシュド製品を作る過程で水没してはじかれた豆をいくら再完熟させても、純粋なナチュラルみたいに美味しいものになるのかと考えますと残念ながら他の農産物と同じで、真っ赤な色づきをしていて美味しそうなのに食べてみるとあまり美味しくないものが出来上がってしまいそうであります。そしてこうした事後完熟の天日干しコーヒーがどう分類されるかと申しますと、これも天日乾燥させて実から豆を取り出すワケですから「ナチュラル」と表示されるみたいであります。従ってひとくちにナチュラルと分類しますが実は「純正のナチュラル」と「似非ナチュラル」が存在していると言えます。どこかの急な山あいの斜面で完熟した赤い実だけを丹念に手摘みして作るナチュラルのコーヒーはたぶん理想でありますが、例えば特にブラジルのような広い国土の広大な面積を占める農園で栽培されるコーヒーとなれば大型の機械を使って一気に収穫しないと非効率ですから、赤い実だけを選んで収穫するなんてことはできません。その結果、落ちこぼれてウオッシュドからナチュラルに転じた豆をわざわざこれを似非ナチュラルですなどと区別表示はしませんから、堂々とナチュラル精製のコーヒーとして市場に出て来るのであります。ナチュラルだから風味が良くて美味しいんだよね...と買って飲んでみたら、意外にイケてないコーヒーによく出くわすのは、それが原因の1つみたいです。気候変動でコーヒー産地がどんどん標高の高いところに移っております。そうなりますと水の確保も大変ですから、今後はナチュラルや水を使わず精製できるパルプドナチュラル(ハニー)が増えてまいります。ハナからナチュラル精製をした「純正品」とウオッシュドから落ちこぼれた「再生品」と、同じナチュラルでも2通りあるので買う際にはよく調べると致しましょう。因みに再生品でない完熟豆はブラジルでは「ボイヤー」と呼ぶみたいです。樹上完熟やボイヤーと明記していない聞いたこともない農園のナチュラルは概して「似非」なのかも知れないですね。コーヒーも人間も謳い文句や見た目に欺されてはいけないという教訓でございました。
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