居場所の違う人たち

 いつだったか仙台にいる友人を訪ねた時に牡鹿半島だったかどこかで遊覧船に乗ったら、友人が遠くの空を指さして「ほら海猫が来るぞ」と申しました。ぼんやりよそ事を考えておりましたので猫と聞いて「猫?猫が飛んで来るの?」と言ってしまい失笑されたことがありました。落ち着いて考えれば海猫という鳥がいることは分かるのですが、予期せぬ時に咄嗟に言われるとどうしても「猫」という名前に翻弄されてしまいます。他にもワカサギはしらさぎの子供だとしばらく誤解していた時期がありましたし、イタドリが鳥の図鑑で調べて見つからないのにペンギンが我が物顔で紙面を占領していたこともありました。こういう生物分類学の垣根を巧妙にすり抜けて他人様の庭先に素知らぬ顔で居座っているようなヤツってワタシは苦手であります。最近はコーヒーの世界にもこういう輩がいて、特に多いのがコピルアック関連であります。そもそもコピルアックというのは赤く熟した美味しい実しか食べないジャコウネコが糞として出したものから消化されずに残ったタネの部分を洗って商品化するものですから、何でも食べるような動物に無理矢理食べさせても意味が無いワケですが、ベトナムの猿やブラジルのカラスが食したという似たような商品が結構高値で売られております。まあそれなりに他のコーヒーより美味しいので許されると致しましても飼い猫に強制的に食べさせたりしたワケの分からないコーヒー豆をコピルアックとして売られることには大いに異議ありであります。200g1,000円くらいでコピルアックを買ったと仰るお客様もいらしたりして「それってたぶん猫か何かのですよ」と言いかけて思いとどまったこともあります。中にはコスタリカみたいにコウモリが囓った実を集めて作ったゲイシャのルアックもどきもあって、ゲイシャのルアックなら飲んでみたいという気はしますが、でもよくよく考えてみれば実を食べてお腹の中を通る際に消化酵素の働きで独特の香りが出ると言われるルアックなのに食べかけて囓っただけじゃイカンでしょと文句を言いたくなります。囓ってみたけど不味くって吐き出した?...でも腹が減ってたから「うっ不味い、もう1つ!」って囓ったということなのでしょうか。こういう豆は他とは違う経過を辿っているのでそれなりに独特の個性的な風味があるのかも知れませんが、ワタシは現地で農協の職員さんが山に入って拾い集めて来たという現在買っているコピルアックだけで十分で、亜種を飲んでみようとはあまり考えられないのですが...。それに商品としてお客様にコーヒーを売る立場の人間としては基本的には「王道」を歩む商品が宜しいワケで、分類学の垣根を意に介さない「もどき君」はやはり近寄りがたい存在なのであります。

※明日25日(木)は店舗休業日です。

本日(くらいに)到着のサンプル

 今日あたりに東ティモールのサンプルがいくつか届く予定です。これまでのものと同じコカマウ組合という所に所属するハヒタリやハヒマウなどの集落の商品で、概要を見ると標高などのデータは1300~1700mなどのように前回と全く同じ記載がされておりますが、収穫時期が遅れて出荷されたものなので実際には利便性の悪い山間の標高が高いところからやって来る豆が多いのだそうです。東ティモールの豆についてはこれまでハヒタリもレテフォホも同じ地区なら標高の高い集落のものの方が風味が良く美味しいという傾向がありましたので少し期待をしております。一般に「今年のニュークロップが入荷しました」との情報を受ければすぐに飛びつきたくなりますし、第2陣・第3陣と入荷が後になるほど興味が薄れるものなのですが、「新モノ買いの銭失い」という言葉があるように慌てて新しいものを狙うのは賢い方法ではないようです。果物などのように同じ樹から二度三度と収穫される場合は後になるほど品質が落ちるということもあるようですが、コーヒーについてはただ単に最初の出荷に間に合わなかったというだけなので残り物には福があるってことみたいです。もともと東ティモールというのはインドネシアでしたのでかつては「マンデリン」の分類だったはずですが、無数の島からなる国だけに島ごとに気候風土が異なります。他の一般的なインドネシア豆に比べると少し酸味がスパイシーでキリっとしていて、しかも日本のNPO法人が指導する有機栽培コーヒーですから、結構貴重な存在でもあります。届いたら試飲をしてみて良さげなものを買います。若干在庫残りもありますがピーベリーも同時手配の予定でおります。ただし、今回のピーベリーはキリコリ集落のものではないようであります。
 それから先日のエルサルバドル「カップ・オブ・エクセレンス」について、当店は購入できませんでしたとお伝えしましたが、その後商社の方から「まだ割り当て可能なものが少し残っているので三重珈琲さんで是非1つ...」と打診がございました。少し迷いましたがせっかくお声かけいただいたので買うことに致しました。詳細を確認してみましたらどうも品種はパカマラのようです。サルバドルのパカマラ種と言えば当店のラインアップにサン・イシドロ農園の「ロスルチャドレス・パカマラ」という人気商品がありますが、こちらはCOE受賞ロットなのでそれよりもっと酸味がクリアで明るくてスコアも上になります。お盆過ぎにしかやってまいりませんがどうぞご期待いただきたいと思っております。もうじきホンジュラスやコスタリカなどのCOEオークションも始まります。今年も高値予想になっておりますし、コロンビアが転けそうなので入札も集中すると思われます。スケジュール的に言えば9月前後にまとめて入港して来るでしょうから、あまり調子に乗って買いすぎると支払いができなくなります。もう少しお店の方が繁盛していれば無理してでも買うのですが、今は我慢の時でしょうかねえ...。

儲かるソフト

 パソコン・ソフトというのは一般的には買うものですが、それほど知識はなくてもVisual Basicなどのソフトをいじくっているとアイデア次第でちょっとしたそれなりのソフトができてしまうことがあります。「これって売れるんじゃない?」と色めき立ち、ひと儲けすることを考えた時にネックとなるのが「バグ」であります。もしプログラムに何らかの予期せぬ不具合が内包されていて、購入者に損害を与えるような事態になってしまったらどうしようと考えるといきなりそれを販売することはかなりリスキーですから、取りあえず様子見をしたくて、そういう時にかつては「窓の杜」とか「Vector」などというサイトにフリー・ソフトとして登録をしたりされる方がだいぶみえました。何でもないくだらないソフトで有料にしたところで大した実入りもないけれど、それでもあえてそんな回り道をするのです。しかし、WindowsのOSとかになれば利用者数も桁違いですし、不具合があった場合のダメージにも想像を絶するものがあるはずです。それをかなりのお値段で販売して世界中にばらまくワケですからさすがに大企業は違います。でも、今回のランサムウエアの感染状況を見ておりますと被害を受けているのがほとんどWindows7だそうで最新のWindows10はほぼ感染を免れているので、だから最新のOSを導入してちゃんとウイルス・ソフトを更新しなさいという理屈になっているのですが...、しかしもう1つの情報にWindowsXPの感染もほぼゼロだったというのがありました。XPを使っていると盛んに「このWindowsは現在サポートを終了しております、使い続けると危険です」みたいなメッセージが出ますが、本当にそうなのですかねえ...。企業では最新のWindows10なんてあまり使っていないみたいだし、7やXPもかなり使われております。少し前にもフランスだったかどこかの空港のマシンがWindows3.1だったというニュースがありました。まあ使い方にもよりますがメーカーの宣伝に踊らされて常に最新のOSに飛びつくワタシみたいな人間は本当はいいカモなのかも知れないですね。フツウに考えれば今回のランサムウエアもOSのバグを突かれて世界中のパソコンに被害を与えてしまっているのですから、Microsoftがそれを全て補償しなければならないと思うんですが、サポート終了OSを大義名分にそんなことはしないんでしょうねえ。ハッカーさんたちは誰も使わないような古いOSを攻撃するためにわざわざウイルスを開発したりしませんから、結構サポートを終了した2世代くらい前のOSを使用する方が安全だったりして...。ワタシもまた暇を見て余っているハードディスクにWindowsXPをインストールして遊んでみましょうかねえ...、今では使えなくなった懐かしいソフトも復権できますから。ワタシの友人にもサポート切れの古いOSをずっと使用していて、ウイルス・ソフトも入れずにネットもメールもやっているという人がおりましたが、結局世の中は全て「運」が支配しているのかもと思いたくなります。慎重に注意深く対策している人間にとっては理不尽な世界であります。
ギャラリー
  • 休日につきJAZZを復活させました